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2010年7月17(土)
~23日(金)
「北海道の駅を描く」企画のため、ちょうど1週間富良野を離れる。畑をほったらかして大丈夫か、一抹の不安がある…。
2010年7月24日(土)
1週間ぶりに帰ってきた家の菜園は、カボチャとじゃがいもが半端なく大きくなっていて、足の踏み場もないほどに。果樹ゾーンの雑草もまずい。ひとつひとつ、何とかしていかねば…。(T_T)
【コラム5】半農半Xの利点と弱点
「好きなことが出来ていいねぇ」。自分自身非常によく言われることだが、「半農半X」の利点といえば、これに尽きるだろう。好きなこと、得意なことを活かしながら、農に携わる。おおげさではなく、農業は人類の生命に関わる仕事である。人間がどうしても必要とする食物を生産しながら、一方で自分の仕事も両立出来たら、それ以上豊かなことはないのではないかと思う。

では、それが簡単に出来るかというと、簡単ではない。農業は、生き物を相手にする仕事なので、人間の都合を優先させると、間違いなく失敗する。農繁期に作物から目を離すことは出来ず、少しでも放っておけば雑草だらけになってしまうし、病気や害虫にやられてしまう。半Xの仕事が忙しくなったからと言っても、夏に畑から離れるわけにはいかないのである。

自分自身「半農半画家」と呼ばれる中で、多くの農家さんからは「片手間で農業なんてやめたほうがいいよ」と言われる。「どこにも出かけられないよ」とも。だけど、畑の面倒も見ながら絵も描き続けることが出来たら、やっぱりうれしい。それが可能かどうかを試しているのがこの「やればできる(はず)日記」の試みなのだ。
2010年7月25日(日)
友人J来訪。Jが自身で植えたインゲン・ナス等を収穫して帰る。Jによると、この前畑で葉っぱをいじっていたら、ホタルがいたよとのこと。本当かどうか、自分はまだ見たことがないが。もしホタルがいるんだとすれば、そんな場所で生活していることを幸せに感じる。

ツルの伸びがひどいミニトマトの誘引をし直し、収穫出来るものは収穫する。

Jに言われて気が付いたが、植えたすじなしインゲンがすごく成っている! 少し収穫して蒸して食べたら、まずまずうまい。もしかして、市場へ出荷出来るかも…。

2時間弱の刈払い機での草刈り。

富良野公設市場の知り合いに電話をかけ、明朝、市場で色々作物の出荷の仕方などを教えてもらうことに。
2010年7月26日(月)
朝7時半、富良野公設市場へ。せりが始まる少し前の雰囲気を味わう。知り合いから、出荷の仕方も丁寧に教えてもらう。とは言え、そこまで複雑でもないし、難しくもない。OK。やってみよう!(^-^)

早速ホームセンターで出荷用の袋と、重さを量る計量器を購入。

夕方、すじなしインゲンを収穫。晩、選別、軽量、袋詰め。100gずつのパックが計8袋完成!それらを箱に入れ、用意が出来た。明朝、市場へ行ってみよう!
2010年7月27日(火)
朝7時半、記念すべき作物の初出荷!! 庭帳というものに、出荷するものと自分の氏名・住所などを記入、作物を詰めた箱の中に入れ、出荷終了。

夕方、再び市場へ。朝申請した出荷カードが出来ていた。荷主コードは242404と決定!

今日のせりでインゲンの売れた記録が残っていたので、持ち帰る。初出荷のインゲンは、一袋50円で売れた。それが8袋で計400円なり! まずは充分充分。とってもうれしい!(^-^)
【コラム6】富良野公設市場
セリの開始は朝7時半。鮮魚のほうから始まり、その後青果へと移行する。富良野の町の中心部からほど近い場所にある富良野公設市場。平日の売買は業者のみであるが、土日は一般の人も市場の品物が購入出来るよう、開放される。

一般の人も生産物を出荷出来るのは、大きな魅力である。基幹産業が農業である富良野の町では、一般市民も自家菜園で活発に作物を作っているが、市場は食べきれず余った作物でも持って来れば受け入れますと言う。出荷の際に「庭帳」という伝票に出荷する作物を記入しておけば、午後にはセリによって出た売上が記された庭帳を持ち帰ることが出来る。

出荷のポイントは、包装(体裁)。スーパーに陳列されているような、きちんとした袋やパックに詰め、品種やS/M/Lなどサイズを揃えること。そうすれば、価値も価格も上がる。

市場は町の台所。一般の人の長所は、大量流通しないような個性的な作物を選ぶことも可能だということで、数は少なくてもいい作物を出荷するようになれば、価値のあるものとしてちゃんと評価をしてくれる。

市民それぞれがさまざまな作物を出荷することで、町が新鮮な作物で満ち、自治体としての自給自足のサイクルが確立されたら素晴らしいなぁと、希望も膨らむ富良野公設市場である。
2010年7月28日(水)
夕方、調べていた果樹農家さんへ初めてのお電話。お話をして畑を是非見学させていただきたいとお伝えしたところ、快諾してくれた。明日の午後。どんな方でどんなお話がうかがえるか、楽しみだ。
2010年7月29日(木)
果樹園を訪問。園内を見学させてもらうと、とてつもなく立派なブルーベリーの木々と果実。実がとんでもないほど大きい! 何しろ素晴らしかった。園のご主人ご夫婦はお人柄も良く、色々なお話をしてくれた。大感謝である。あらためて、主要作物をブルーベリーでやっていくことの難しさも痛感した。本当に、農業での近道、抜け道というものはなかなかないものなのだ。

夕方、雨の中、家庭菜園の野菜を収穫、晩に量って袋・パック詰め。明朝、2回目の出荷。
2010年7月30日(金)
パセリ、大葉、インゲン、ミニトマトと出荷したが、合計200円にしかならず(T_T)いや、体裁が悪かったから、仕方ない。ただ、こういう経験を積むことで、市場での評価の高低の目安が分かってくるはず。まずは気にせず、どんどん出せるものは出していこう!
2010年7月31日(土)
夕方5時、ついに今月の絵描き期間も終了。今日から畑作り再開! 今日はスコップと一輪車で、低くなっている物置跡に高いほうから土を運び、でこぼこの土地を出来るだけ平らにする作業。ユンボがあればとても楽なのは当たり前。誰かに声をかけて借りることだって、出来なくはない。でも、手でやるところに価値がある。絵描き期間の疲れと緊張感を取るように、汗をかき、大きく息をつきながら…。
紆余曲折の6月・7月 総括
拡大初夏から盛夏へと移る農繁期にあって、非常にたくさんの出来事があったし、自分自身もずいぶんよく動いたように思う。大きな転機は、南稚内でブルーベリーの話を聞いたこと。その後は頭の中がブルーベリーのことでいっぱいになった。本を買い、苗を買って植え、果樹園の見学にも行った。こうした中、営農するための作物を選ぶことが容易ではないことを痛感した。はっきり言えば、「自分自身がやりたいと強く思え、さらには稼げる作物」というものがなかなか見つからないということである。

もうひとつ大きかったのは、家庭菜園で穫れた作物を市場に出荷し始めたこと。出荷できることは以前から知ってはいたが、果たしてどういう形でどうしたら出せるのかということを身を以って知ることが出来た。そして、売れた値段によって、どんな作物がどういった値段で買ってもらえるのかということもうかがい知ることが出来た。スーパーに並んでいるような、パッケージと中身の形がぴったり揃ったような野菜を出荷する難しさがよく分かる。それこそがプロの農家たちが腐心して体得する技術なのだろう。

自分なりの「農」を作っていくに当たり、現時点で何が足りないのかがよく分かるこの6月7月であった。イマイ畑の主要作物も、まだ決められずにいる。まだまだ紆余曲折は続いていきそうだ。
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