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2010.01.29 UP

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vol.2

経験をひとつひとつ積み上げていく。
そしてもっと牧場の役に立ちたい。

小林牧場 牟田 若菜(むた わかな)さん
1986年生まれ
千葉県出身
酪農学園大学 酪農学部 酪農学科卒(北海道江別市)
introduction

牟田若菜さんは2008年春、酪農学園大学卒業と同時に農業法人(有)小林牧場に勤務を開始した。 小林牧場は1932年に酪農を開始し2001年に法人化、現小林紀彦社長で三代続く牧場である。JR新さっぽろ駅から車で10分、野幌原始林に隣接した 87haの牧草地と20haのデントコーン畑があり、経産牛210頭と育成牛140頭を飼育している。牟田さんは現在牛の飼育作業全般をしながら特に体調管理や授精について大学時代に学んだ沢山のことと、持ち前の観察力を活かして取り組んでいる。

stage1 高校卒業後の進路決定
千葉県

動物が好きだった。

子供のころから身体を動かすことが好きでバスケットや陸上部に所属。動物が好きで「獣医になりたい」と思っていたことも。「デスクワークは向かない」と感じていた牟田さんは、高校卒業後の進路で、「動物にかかわる仕事がしたい」と思った。両親とも相談し、酪農専門の学科がある北海道の酪農学園大学で幅広く学びたいと考え、同大学 短期大学部 酪農学科に入学。これが牟田さんにとって酪農の世界への入口だった。

stage2 酪農大学で
アイスホッケーに出会う
江別市

ひとつひとつ一生懸命体験していく。

大学ではアイスホッケー部に入部。自分もみんなも初心者からのスタート。一からスタートした部活で牟田さんは大きなことを学んだ。それは「はじめは、うまくできなくてもひとつひとつ一生懸命体験していくとそれが積み上がりできることが増えていく」ということだ。キャプテンを務め、失敗することも多かったが、そこで経験したさまざまなことで自分も成長することができた。人とのかかわり方、活動にかかわる姿勢など、部活で得たことは、現在仕事を学んでいく牟田さんのベースになっているようだ。短大卒業時にどこかの牧場で働き酪農を体験するか、もっと専門的な勉強をするのに4年制へ編入するか悩んだ結果、酪農大学 酪農学科に編入することを選んだ。そして4年の時、本格的に就職先を探すことになる。

stage3 就職活動のスタート
江別市

一つの牧場で酪農の仕事を突き詰めて体験したい。

就職活動にあたり牟田さんは漠然と酪農や観光牧場、動物園など動物にかかわる仕事に就きたいと考えていた。その中で酪農を選んだ理由は、大学の酪農学科で学んだきたこととその時経験した実習が楽しかったからである。そして牟田さんは「一つの牧場で酪農の仕事を突き詰めて体験したい」とも考えた。授業では習っていたが、酪農の仕事を年間を通して体験したことがない。自分は体験しなければわかったと思えない性格だ、自分はまだ牧場の仕事をなにもしらない、基本的な牧場の仕事を長期間体験してみたい…。そんな考えを持ちながら就職活動を始めた。若干出遅れたことも関係したのか学校の就職課やインターネットで情報を探すが酪農系の求人情報は少なかった。特に牛乳生産中心の酪農牧場は酪農ヘルパーなどの求人はあったが、牟田さんが希望する長期雇用の就職先は少なかった。牧場に実習に行ったり、時には一般企業の合同説明会に参加したりと多岐にわたり就職活動を続けた。すると12月のある日、友人から「アルバイトしていた牧場で来年欠員がでるので受けてみないか?」という話が舞い込んだ。牛乳の生産を行う牧場である。履歴書を持ち牧場を訪問、何を話したか覚えていないくらいスムーズに話が進み採用となった。それが現在勤務している小林牧場である。

stage4 牧場に就職
江別市

相手も生きもの、自分も生きもの。

牟田さんは小林牧場に勤務して2年目になる。牟田さんは、一年目よりは少し仕事ができるようになった手応えを感じている一方、もっとできるようになって牧場の役に立ちたいと考えている。牟田さんは言う「相手も生きもの、自分も生きもの、全然思うようにいきません」と。そんな牟田さんを支えるのは牧場の社長や先輩達である。気になったことをすぐ訊けること、みんなで頑張っているという雰囲気、一生懸命やった結果失敗をしても「まあなんとなるさ」と受け止めてくれること、そして少しずつ仕事を任せてもらえることから自分が頑張っていることを見てもらえている実感など、この牧場で仕事が出来ることを恵まれていると牟田さんは感じている。

stage5 今後の目標
江別市

最終的にはできるようになると知っているから…。

これから先の夢や目標を訪ねたとき、横で聞いていた小林社長が牟田さんに言った。「将来的には今自分がやっている人工授精や種牛の勉強をしてもらい、それを任せたいと思っている」と。牟田さんは突然の話にとまどいながら、「社長の仕事を見ながら覚えて…頑張ります!でもそれができたらすごいですよね!」と話し、こう続けた。「日々頑張っていく、頑張れない日もあるけれどそれは次の日に頑張る。はじめはできなくても、経験をしてそれを積み重ねていけば最終的にはできるようになるって知ってるから、それを続けていく」。アイスホッケーでそうだったように、一年目でできなかったことは2年目でできるように頑張り、一年一年できることを増やすようにする。具体的には牛を見る観察力を磨いて、牛の不調をいち早く発見し対応出来るようになることであり、全般的に「もっと使える人になりたい」ということだそうだ。
インタビューの冒頭、「仕事を始めたときはアイスホッケーを休みの日を利用して両立していきたいと考えていたけれど、今は仕事がおもしろくなってきて、はまってきて仕事優先になってきていますね」という言葉通り牟田さんは今、酪農の世界にはまりつつあるのだろう。

message 後輩へ

「酪農の仕事は各牧場で違うので、働いてから覚えることが多い」とのこと。具体的に何から始めるといいかと聞くと「どこでもいいから、実習に行ってみる、きついことも大変なことも自分で体験してみなければわからないと思うから。あといろんな人にあって話を聞いてみる」。そして牧場に入ったら「まずは失敗を怖がらないで一生懸命仕事すればいいと思う、自分には出来ないと思わないで何でもやってみようという気持ちで気になったことは全部やってほしい!」と話してくれた。

有限会社 小林牧場
〒069-0832
北海道江別市西野幌668番地
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